SAM咬合器についてSAM Articulator
SAMシステム
SAMの歴史は、1971年にドイツのミュンヘンで咬合の理論と解剖学の教育にはアルコン型の咬合器が必要であるという見地から咬合器開発プロジェクトが発足したことに始まります。
そして、プロトタイプが各地の歯科大学に紹介され始めると、瞬く間に世界中で受け入れられることとなり、これによりSAM社が設立されました。SAMとは(School Articulator Munich)の略です。
1971年のSAM1咬合器(廃版)を皮切りに、1982年にはSAM2(廃版)、SAM2P咬合器そして1991年にはSAM3咬合器、1998年にSAM2PX、2009年により簡易的なSAM SE、2017年にSAM NEOと次々と開発を展開し、今日に至っています。
世界でもトップクラスの精度を持つ半調節性咬合器
SAM咬合器は数ある咬合器の中でもトップクラスの精度を誇っています。
現在は5種類の咬合器を取り扱っています。
実際の顎運動から生まれた咬合器
顎運動の分析から生まれたSAM咬合器の顆路は、三次元曲線になっています。典型的な形態に分けた顆路は矢状顆路(カーバチャー)が3種類、側方顆路が4種類(ベネットガイダンス)あり、片側の組み合わせが12通り、両側の組み合わせでは、なんと144通りにもなり、更にそれらの角度を調整すると無限のパターンになります。患者さんの顎運動に最も近くなるように調整することにより、半調節性咬合器の性能を遺憾なく発揮します。
生体と同じ理解しやすい構造
SAM咬合器は生体と同じ構造であることを頑なに守っています。コンダイラーハウジングは側頭骨であり、下顎模型弓は下顎骨そのものです。
最も目を引くのがインサイザルテーブルが上顎模型弓に付いていることですが、これはインサイザルテーブルが上顎のガイダンスだからです。インサイザルピンは下顎の切端や咬頭を表しています。
2種類の咬合器
SAM咬合器は大きく分けて2種類あります。SAM 2P、SAM 2PX、SAM 3は矢状顆路角と側方顆路角が設定できるタイプ、SAM SE、SAM NEOは矢状顆路のみ設定できるセミアジャスタブルタイプになっています。
【矢状顆路角の設定】
全ての咬合器において設定可能です。
【側方顆路角の設定】
SAM 2P、SAM 2PX、SAM 3は設定可能です。SAM SE、SAM NEOは設定はできませんが、最も平均的な三次元曲線を採用したハウジングが取り付けられています。