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鼻呼吸機能と反対咬合-機能は形態を変える-
鼻呼吸から知る機能の改善メカニズム
ヒトは各個人特有の顔面構造をもっている。
治療においてはその成長に合わせて、適切な分析値・数値を駆使して成長予測を行い、早期に機能障害を除去する。そして各個に最適な治療法を構築して、顔面口腔の個人正常を獲得することを治療目標とする。
著者は専門開業当初より反対咬合の治療のための資料を収集してきた。セファロ上での鼻上顎複合体の成長を観察し、鼻呼吸の回復、鼻気道の確保を考え、小児科や耳鼻咽喉科の専門医との連携など、現在に至るまで治療と並行して研究と学会発表を続けてきた。
本著では、顎顔面の「機能と形態」の成り立ち、環境因子による変化、および耳鼻科治療、矯正治療による変化の過程を、矯正医の視点から鼻呼吸機能に焦点を絞り、比較検討することで、著者の臨床を通した「機能と形態」についての考え方を示している。
はじめに、発刊に寄せて
1章 自然成長を観察する
- 症例 鼻呼吸機能の回復と反対咬合の改善
2章 鼻呼吸障害の改善と成長変化
- 上顎洞面積計測の必要性
- 症例1 アデノイド肥大を伴う反対咬合(8歳8カ月)
- 症例2 副鼻腔炎を伴う反対咬合(7歳5カ月)
- 症例3 アデノイド肥大・ロ蓋扁桃肥大を伴う反対咬合(8歳2カ月)
- 症例4 鼻づまり・気道閉塞を伴う乳歯列反対咬合(7歳4カ月)
- 4症例の結果
- 考察
- これまでの業績の検討I 研究1
3章 日本人が反対咬合になりやすいのはなぜか
- 抽出したサンプルの概要と検討法
- 男子(14歳)の人種間セファロ分析
- 女子(13歳)の人種間セファロ分析
- 側貌セファロ分析値・正貌セファロ分析値(男子14歳/女子13歳)
- 日本人反対咬合者の顎顔面の特徴
- これまでの業績の検討II 研究2
- まとめ
4章 鼻呼吸機能改善がもたらす成長変化
- 3症例の共通点
- 症例1 Mesio facial type 成長変化なしの症例
- 症例2 Mesio facial type から Dolico facial type へ変化した症例
- 補足症例 Dolico facial type の一般的な成長変化例
- 症例3 Mesio facial type からBrachy facial type へ変化した症例
- 3症例の成長変化の要約
- 考察
- まとめ
5章 鼻呼吸機能改善の時期はいつがよいか
- 症例1 前歯部反対咬合と叢生(9歳0カ月~17歳2カ月)
- 症例2 アデノイド肥大、口蓋扁桃肥大を伴う前歯部反対咬合(7歳10カ月~18歳4カ月)
- 症例3 反対咬合と叢生(12歳3カ月~18歳3カ月)
- これまでの研究業績の検討III 研究3:上顎洞の前期成長と後期成長
- これまでの研究業績の検討III 研究4:上顎洞の前期成長と後期成長における年齢と増加量との関連
- 考察
6章 成長期の発育を逃した成長変化の様相
- 症例1 前期成長を利用できなかった症例
- 症例2 前期成長、後期成長をともに利用できなかった症例
- 参考 正常者の顎顔面と上顎洞の成長の一例
付章 座談会 耳鼻科医に聞く「鼻呼吸と口呼吸」
- 黄川田徹 菊地 誠 司会進行=山口秀晴
- 耳鼻科と矯正歯科が連携して治療を行うメリットとは
- 鼻呼吸の重要性
- 鼻閉の原因と弊害
- 隠れ鼻づまり
- 最新の鼻づまりの治療指針
- 鼻づまりの手術治療
- 鼻呼吸障害と反対咬合
- 耳鼻科と矯正歯科の連携
- 座談会を終えて
おわりに、著者略歴
- ※書籍内に3か所誤りがございました。お詫び申し上げますとともに、下記の正誤表の通り訂正いたします。
>正誤表はこちら - ◎発売日:2022年2月1日
- ◎規格:A4判、フルカラー、178ページ
- ◎発行:東京臨床出版株式会社
- ◎発売:株式会社JM Ortho
- ◎商品番号:TORIN57
- ◎モリタコード:206850097